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マンドリン四重奏のための「Ricercare」を出版

2017年12月、マンドリン四重奏のための「 Ricercare 」を出版いたしました。 楽譜は、 フレット楽器ヤマサキ 様にて、好評お取り扱い中です。 このブログのお問い合わせフォームからも、ご注文いただけます。 📧 お問い合わせフォームへ この作品は、2012年静岡県浜松市で行われたマンドリンアンサンブル演奏会「時層音楽と音風景」(主催:Contemporary Mandolin Unit STEPS)のために作曲したものです。  "ricercare" (リチェルカーレ)は、イタリア語で「探求する」という意味を持ちます。マンドリン属の楽器を用いて、どのような「現代的な」表現ができるかを、私なりに探求した作品です。 また、"ricercare"は、16〜17世紀における器楽曲の形式の一つで、主題の模倣的な手法を主な特徴としていました。さらに、16世紀には、自由な様式による即興的な性格を持つ曲の名称にも用いられてました。 それらに倣い、本作品では、主題をパート間で模倣しながら発展させていくスタイルをベースとし、部分的に即興的な要素も取り入れています。マンドリンアンサンブルの新たな地平を拓く楽曲となりましたら嬉しく思います。 この作品は、全4曲から構成されています。それぞれの曲は、この作品の初演グループ『STEPS』さん由来の音列から創られています。下に、各曲の概略を記しますので、参考になさってください。 第1曲: On E 『STEPS』さんの綴りの中心にある"E"の文字を用い、E音(ミ)のみで構成されています。様々なバックボーンを持つメンバーたちが三々五々集い、はじめは静かに意見交換しつつも、徐々に白熱した音楽談義に発展。やがては皆、疲れ果てて眠りにつく様子を描いてみました。演奏が進むにしたがって、いわゆるトランス状態に陥っていくことを狙った構成となっています。 第2曲: Illusion 第1曲で用いたE音に、Es音(ミ♭,  異名同音のDis/レ♯を含む)とA音(ラ)を加えた3音で構成されています。Es音は、『STEPS』さんの綴の両端にあるS(es)に、A音は、『STEPS』さんのメンバーの名前のアルファベット表記に"a"の文字が多

マンドリンとギターのための「風、海、そして...空」を出版

2017年12月、マンドリンとギターのための「風、海、そして...空」を出版いたしました。 楽譜は、 フレット楽器ヤマサキ 様にて、好評お取り扱い中です。 その他、このブログのお問い合わせフォームからも、ご注文いただけます。 📧 お問い合わせフォームへ この作品は、もともと静岡県焼津市及び藤枝市を中心に活動している「 劇団夢舞'92 」さん主催による演劇「@Yaidzu(あっとやいず)」の劇中音楽の一つとして、独奏ギターのために作曲したものです。この演劇は、焼津市を舞台に、焼津とゆかりのある小泉八雲の作品を題材とし、現代の大学教員とその弟子(学生)たちが八雲の足跡を辿るというお話です。焼津小泉八雲記念館開館5周年記念事業として書き下ろされたオリジナル作品です。 ところが、その公演予定日のまさに2日前に東日本大震災が発生し、公演は中止となったため、楽曲は未発表のまま時が過ぎていました*。私としては、とても思い入れのある楽曲の一つだったので、とても残念に思っていましたところ、2012年に、浜松市在住のマンドリン奏者の山下顕・山下直美両氏のご協力を得て、マンドリンとギターによるデュオ曲として再編し、演奏会用楽曲として新たな命を与えることができました。 以来、山下顕・山下直美両氏によって、浜松はもとより、名古屋や三重県などで度々演奏していただき、ご好評いただいております。この度の出版にあたり、より多くの皆様に愛される作品となりますよう願っております。   ✽なお、「@Yaidzu(あっとやいず)」は、2013年2月に、無事、公演されました。 焼津は、古くから港町として栄え、活気と人情味の溢れる街です。海風が運ぶ塩の香り、青い空、どこまでも続く水平線....そんな焼津の素朴で、どこか懐かしい情景を曲にあらわしてみました。 波をイメージしたギターの伴奏にのせて、マンドリンの旋律が、時に風となり、時に波間に光る陽光となって漂うような作品となっております。 四方を海に囲まれた日本では、あちらこちらで焼津と同じような風景を眺めることができるのではないでしょうか。演奏者それぞれが感じる日本の風情・情緒を、想うままに表現していただけたら嬉しく思います。 ところで、マンドリンとギターの組み合わせですと、ほとんどマンドリンが主旋律を担当