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「真田丸のテーマ」弦楽アンサンブル編曲

子どもたちの弦楽アンサンブル(Vln & Vla)のために、「真田丸のテーマ」を編曲し、この夏に演奏していただきました。 演奏してくださったのは、「長久手ストリングスハーモニー」の皆さん。 愛知県長久手市在住のヴァイオリニスト・横田真規子先生がご指導している小学生〜大学生によるアンサンブルです。 はっきり言って、レベル高いです!(^^) 熱演をお聴きください。 編曲中は、はたしてこんな難しいフレーズを子どもたちが弾けるのかな〜などと、思いながら進めていました。でも、もし演奏が困難なようだったら、あとから易しくしてあげればいい、まずはなるべく原曲のイメージをそこなわないようにしようと思い、仕上げていきました。 ところが、そんな心配は全く無用でした! 皆さん、初稿通り、まったく改訂なしに演奏してくださいました。 お見事です! オーケストラ作品をヴァイオリンとヴィオラの編成用に編曲するためには、ちょっとした工夫が必要です。 ヴィオラの最低音が中央「ド」の1オクターブ下ですから、オーケストラ全体の音域に比べて、低音域が著しく足りません。ですので、オーケストラ用の楽譜をそのまま割り当ててしまうと、低音パート楽器による「どっしり感」に欠け、希薄なイメージになってしまいます。 その問題を少しでも軽減するため、私は、低音域の和音を、ヴァイオリンパートの高い音域に移し替え、音域の広さをカバーしてみました。 また、可能な限り和音の厚みを出すために、つまり、同時に鳴らす音をできるだけ多くするために、通常は、ヴァイオリンセクションは、第1ヴァイオリン1と第2ヴァイオリンというように、2パートに分けるところを、3パートに分けてみました。したがって、第3ヴァイオリンもあるのです。 1パートの人数は少なくなりますが、ヴィオラを含めると4パートに分かれて演奏することになるので、弦楽四重奏のイメージに近くなり、広がりのある音の配置が可能になりました。 また、今回は、ジュニアのための編曲ということで、どのパートも等しく、主要な旋律を担当するよう配慮しました。つまり、必ず、どこかで「目立つ」フレーズを演奏できるよう工夫しました。 低音域の楽器がないからといって、ヴィオラがいつもバスラインだけを担当していたら、練習のモチベーションも上がり

日本ベルギー友好150周年記念シンポジウムに参加して:ベルギー王立カリヨン音楽学校を見学

9月21日〜27日まで、日本ベルギー友好150周年記念シンポジウム「 The new era of carillon art - How bells connect Belgium and Japan ( カリヨン新時代:鐘がつなぐ日本とベルギー) 」に参加するため、ベルギー北部のメッヘレンという街を訪問しました。 このシンポジウムは、ベルギーのメッヘレンにある 王立カリヨン音楽学校 (The Royal Carillon School Jef Denyn ) の主催で行われました。 滞在中、この音楽学校の内部を見学させていただきました。 カリヨン音楽学校は、カリヨン奏者を養成する学校です。 そう、カリヨンは「楽器」なのです。 異なるピッチを持つ大小の鐘を組み合わせて音楽を奏でます。 日本人にとってはあまり馴染みのないカリヨン音楽学校ですが、カリヨン発祥の地、現在のベルギーとオランダには、幾つかあるようです。 このThe Royal Carillon School Jef Denynは、ベルギーで最も古い歴史を持つそうです。近隣諸国のみならず、北米、アジアから演奏を学びに来る方がいらっしゃるそうです。日本人の方も何人かいらっしゃいました。 ↓の写真はその外観です。 カリヨンの演奏は遠隔で、パイプオルガンに似た鍵盤楽器で行います。2段の手鍵盤と、足鍵盤が備えられています。手鍵盤は木製のバー(バトン)になっていて、拳で叩くように奏します。このバトンを「振り下ろす」ことによって鍵盤とワイヤーで結ばれたカリヨンの鐘ひとつひとつが音を発する仕組みになっています。ですので、演奏には結構な力が必要だそうです。とても体力のいる楽器だということがわかりました。 デモ演奏を拝見・拝聴させていただきましたが、拳で鍵盤を一つ一つ叩いていく様は、 マリンバやVibの2本撥の奏法と似ているなと感ました。実際、Vibやマリンバのトレモロ奏法と似たような奏法もあるそうです。 楽器の仕様(手鍵盤の音域や足鍵盤の数など)は会場(教会)によって様々なので、奏者はアジャストするのが大変だそうです。中には4度低く調律されているものもあって(ええっ!^^;)、学校の試験では「トランスポーズして演奏」という課題もあるそうですよ。 カリヨン音楽学校は、 若い演奏者を育

日本ベルギー友好150周年記念シンポジウムに参加して:カリヨンが鳴り響く街ーメッヘレン

日本ベルギー友好150周年記念シンポジウム「 The new era of carillon art - How bells connect Belgium and Japan ( カリヨン新時代:鐘がつなぐ日本とベルギー) 」に参加するため、9月21日〜27日まで、ベルギー北部のメッヘレンという街に滞在しました。 メッヘレンは、カリヨン(組み鐘)で有名な街。 街の中心には、巨大な鐘楼を擁する聖ロンバウツ大聖堂が威風堂々とそびえ立っています。鐘楼の最上部には、4オクターブの音域を持つ49個のカリヨンが収められています。 その鐘楼の高さは97m! まさに、メッヘレンのランドマークであり、サウンドマークでもあります。 そして、私、なんと、果敢にも、その鐘楼の頂上まで登ってみました! 583段ある螺旋階段を登るのは想像以上に大変で、何度、途中で引き返したくなったことか、、、(^^;) 階段の途中には、踊り場というか、休憩できるスペースが幾つかあって助かりました。 ↓の写真は、その休憩スペースの一つ。鐘を鳴らす動力となるホイール(滑車)がありました。サイズが尋常でなく大きい(@_@) さらに登って行った先にあった休憩スペースで巨大な鐘の数々を間近で見た時には、鳥肌が立ちました。 頂上に登る途中には、カリヨンを演奏するための鍵盤楽器を備えた小さな部屋がありました。 そう、カリヨンとは人によって奏でられる「楽器」なのです。 それにしても、カリヨン奏者はこんなに沢山の階段を登った末に演奏せねばならないとは (@_@) 何て体力のいる楽器なのだろうと感心しました。(私には絶対ムリ!?) たっぷり休憩を取りながら登ったので、頂上にたどり着くまでには随分時間がかかりましたが、やはりチャレンジして良かったです。そこはスカイウォークになっていて、外に出るやいなや気分も爽やか、そして圧巻の眺め!疲れも吹き飛びました。(^^)v メッヘレンの街には絶えずカリヨンが鳴り響いていました。15分毎に鳴っているとか。その音は決して「邪魔」でも「耳障り」でもなく、しっかりと街に馴染んでいるという感じでした。そのカリヨンの響きも含めてメッヘレンという「街」の風景であり、アイデンティティなのですね。

ベルギー訪問:日本ベルギー友好150周年記念シンポジウムに参加しました。

日本ベルギー友好150周年記念シンポジウム「 The new era of carillon art - How bells connect Belgium and Japan ( カリヨン新時代:鐘がつなぐ日本とベルギー) 」に参加するため、9月21日〜27日まで、ベルギー北部のメッヘレンという街を訪問しました。 メッヘレンは、16世紀初めにネーデルランド(現在のオランダとベルギー)の首都として栄えました。今も当時の建造物やモニュメントが数多く残されている、美しい街です。 シンポジウムは、メッヘレンにある王立カリヨン音楽学校 (The Royal Carillon School Jef Denyn)   の主催で行われました。私はこのシンポジウムで、日本における鐘をめぐる音風景について英語でプレゼンテーションしました。↓は、そのプログラムです。 詳しくは→ こちら  をご覧ください。 プレゼンテーションでは、上野公園の「時の鐘」、川越市の「時の鐘」、金沢市寺町寺院群の鐘、そして、私の地元・浜松市の龍潭寺の鐘の音の録音やビデオを紹介しながら、いかにそれぞれの鐘がその地域独特の音の風景を創り出しているか、それぞれの鐘の音がどのように地域や人々の生活と関わりを持っているかについて論じさせていただきました。そして、時代が進んで街の景色が変わろうとも、何百年もの間、変わらず鳴り続けている鐘を「音の文化遺産」として後世に伝えていくことの大切さについて論じさせていただきました。 発表後は、ご登壇者のお一人として参加されていた在ベルギー日本大使様から「大変勉強になりました」と、有難くもお声をかけていただき、この日のために頑張ってきて良かった!と心底思いました。(^-^) シンポジウムのプログラムは、 王立カリヨン音楽学校の生徒および職員らによる ハンドベルの演奏に始まり、日本とベルギー両国のみならずオランダやロシアの方も含む11名によるプレゼンテーション、屋外でランチをいただきながらの聖ロンバウツ大聖堂のカリヨン演奏鑑賞、さらには和編鐘の演奏などなど盛りだくさんの内容で、とても幸せなひと時を過ごさせていただきました。^ - ^ このような貴重な機会を頂きましたこと、心より感謝いたします。m(_ _)m ↓写真は、聖ロンバウツ大聖堂

長久手フォレスト合奏団演奏会レビュー

2016年4月24日、長久手市文化の家で行われた「 長久手フォレスト合奏団 演奏会」のレビューがアップされました。 →こちら 会場となった 「森のホール」 は、とても落ち着いた、イマジネーション溢れる空間でした。全体的にちょっと暗めな雰囲気で、舞台公演にもピッタリではと思います。 さて、演奏会では、マーラー作曲 のオーケストラ歌曲『子供の不思議な角笛』より、《ラインの伝説》と《誰がこの歌を思いついたの?》のオーケストラパートを 弦楽アンサンブルに編曲したものを演奏いただいたのですが、大変素晴らしいパフォーマンスでした。 同文化の家のレビューにもありますように、 「 歌声と弦楽が透き通るように響き、とてもとても美しかったです。」 長久手フォレスト合奏団は、 愛知県立芸大出身の方々によるグループとのことですが、その音大カラーというか、音楽性の統一感のようなものが感じられました。音色が一つに溶け合っていて、とても素敵なアンサンブルでした。 あらためて、演奏くださった皆様に御礼申し上げます。 オーケストラ作品を弦楽用にアレンジする場合、オリジナルでは管楽器や打楽器で奏されるフレーズや和音を弦楽器に置き換えねばなりません。それらは必ずしも弦楽器に相応しいとは限らないので、どのように弦のフレーズとして組み込むかが、ポイントとなります。 しかも、20ほどにもおよぶオケのパートを、たった5パート(2Vn, Vla, Vc, Cb)に収めるのですから、このフレーズは "削除" など、何かしらの妥協も必要になります。 また、オケ作品では全てのパートが常に鳴っているのではなく、各パートに適宜「休み」の部分があるのに対し、その弦楽アンサンブルアレンジ(管楽器アンサンブルでも同様ですが)では、常に重要なフレーズや、欠くことのできない音を演奏することになります。オケで鳴っている全ての音を当てはめてしまうと、ほとんど休みもなく、奏者はずっと緊張している状態になり、パフォーマンスの質にも影響を与えかねません。 その辺も加味して、各パートとも、「忙しすぎない」よう配慮したつもりですが、、、(^_^) 演奏会終了後の打ち上げで奏者の方にお話を伺ったところ、オケでは、時に、他の楽器とユニゾンだったり、他の楽器

作品発表のお知らせ:長久手フォレスト合奏団定期演奏会〜ボヘミアの森へ

長久手フォレスト合奏団 の皆様に、作品を演奏していただきます。 長久手フォレスト合奏団 第12回定期演奏会 〜ボヘミアの森へ〜 日時:2016年4月24日(日)P.M. 2:30〜 会場: 長久手市文化の家 森のホール 長久手フォレスト合奏団は、2004年、「愛・地球博」の開催を機に、愛知県立大芸術大学の卒業生を中心に結成された室内合奏団です。チラシをご覧になってもお分かりのように、メンバーの皆さん、容姿・実力とも大変優れた方々ばかりです! 演奏会では、 マーラーのオーケストラ歌曲『子供の不思議な角笛』より、《ラインの伝説》と《誰がこの歌を思いついたの?》のオーケストラパートを 弦楽アンサンブルに編曲したものを演奏していただく予定です。 お近くにお住まいの方、ぜひぜひ、ご来場ください。