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日本ベルギー友好150周年記念シンポジウムに参加して:ベルギー王立カリヨン音楽学校を見学

9月21日〜27日まで、日本ベルギー友好150周年記念シンポジウム「 The new era of carillon art - How bells connect Belgium and Japan ( カリヨン新時代:鐘がつなぐ日本とベルギー) 」に参加するため、ベルギー北部のメッヘレンという街を訪問しました。 このシンポジウムは、ベルギーのメッヘレンにある 王立カリヨン音楽学校 (The Royal Carillon School Jef Denyn ) の主催で行われました。 滞在中、この音楽学校の内部を見学させていただきました。 カリヨン音楽学校は、カリヨン奏者を養成する学校です。 そう、カリヨンは「楽器」なのです。 異なるピッチを持つ大小の鐘を組み合わせて音楽を奏でます。 日本人にとってはあまり馴染みのないカリヨン音楽学校ですが、カリヨン発祥の地、現在のベルギーとオランダには、幾つかあるようです。 このThe Royal Carillon School Jef Denynは、ベルギーで最も古い歴史を持つそうです。近隣諸国のみならず、北米、アジアから演奏を学びに来る方がいらっしゃるそうです。日本人の方も何人かいらっしゃいました。 ↓の写真はその外観です。 カリヨンの演奏は遠隔で、パイプオルガンに似た鍵盤楽器で行います。2段の手鍵盤と、足鍵盤が備えられています。手鍵盤は木製のバー(バトン)になっていて、拳で叩くように奏します。このバトンを「振り下ろす」ことによって鍵盤とワイヤーで結ばれたカリヨンの鐘ひとつひとつが音を発する仕組みになっています。ですので、演奏には結構な力が必要だそうです。とても体力のいる楽器だということがわかりました。 デモ演奏を拝見・拝聴させていただきましたが、拳で鍵盤を一つ一つ叩いていく様は、 マリンバやVibの2本撥の奏法と似ているなと感ました。実際、Vibやマリンバのトレモロ奏法と似たような奏法もあるそうです。 楽器の仕様(手鍵盤の音域や足鍵盤の数など)は会場(教会)によって様々なので、奏者はアジャストするのが大変だそうです。中には4度低く調律されているものもあって(ええっ!^^;)、学校の試験では「トランスポーズして演奏」という課題もあるそうですよ。 カリヨン音楽学校は、 若い演奏者を育

日本ベルギー友好150周年記念シンポジウムに参加して:カリヨンが鳴り響く街ーメッヘレン

日本ベルギー友好150周年記念シンポジウム「 The new era of carillon art - How bells connect Belgium and Japan ( カリヨン新時代:鐘がつなぐ日本とベルギー) 」に参加するため、9月21日〜27日まで、ベルギー北部のメッヘレンという街に滞在しました。 メッヘレンは、カリヨン(組み鐘)で有名な街。 街の中心には、巨大な鐘楼を擁する聖ロンバウツ大聖堂が威風堂々とそびえ立っています。鐘楼の最上部には、4オクターブの音域を持つ49個のカリヨンが収められています。 その鐘楼の高さは97m! まさに、メッヘレンのランドマークであり、サウンドマークでもあります。 そして、私、なんと、果敢にも、その鐘楼の頂上まで登ってみました! 583段ある螺旋階段を登るのは想像以上に大変で、何度、途中で引き返したくなったことか、、、(^^;) 階段の途中には、踊り場というか、休憩できるスペースが幾つかあって助かりました。 ↓の写真は、その休憩スペースの一つ。鐘を鳴らす動力となるホイール(滑車)がありました。サイズが尋常でなく大きい(@_@) さらに登って行った先にあった休憩スペースで巨大な鐘の数々を間近で見た時には、鳥肌が立ちました。 頂上に登る途中には、カリヨンを演奏するための鍵盤楽器を備えた小さな部屋がありました。 そう、カリヨンとは人によって奏でられる「楽器」なのです。 それにしても、カリヨン奏者はこんなに沢山の階段を登った末に演奏せねばならないとは (@_@) 何て体力のいる楽器なのだろうと感心しました。(私には絶対ムリ!?) たっぷり休憩を取りながら登ったので、頂上にたどり着くまでには随分時間がかかりましたが、やはりチャレンジして良かったです。そこはスカイウォークになっていて、外に出るやいなや気分も爽やか、そして圧巻の眺め!疲れも吹き飛びました。(^^)v メッヘレンの街には絶えずカリヨンが鳴り響いていました。15分毎に鳴っているとか。その音は決して「邪魔」でも「耳障り」でもなく、しっかりと街に馴染んでいるという感じでした。そのカリヨンの響きも含めてメッヘレンという「街」の風景であり、アイデンティティなのですね。

ベルギー訪問:日本ベルギー友好150周年記念シンポジウムに参加しました。

日本ベルギー友好150周年記念シンポジウム「 The new era of carillon art - How bells connect Belgium and Japan ( カリヨン新時代:鐘がつなぐ日本とベルギー) 」に参加するため、9月21日〜27日まで、ベルギー北部のメッヘレンという街を訪問しました。 メッヘレンは、16世紀初めにネーデルランド(現在のオランダとベルギー)の首都として栄えました。今も当時の建造物やモニュメントが数多く残されている、美しい街です。 シンポジウムは、メッヘレンにある王立カリヨン音楽学校 (The Royal Carillon School Jef Denyn)   の主催で行われました。私はこのシンポジウムで、日本における鐘をめぐる音風景について英語でプレゼンテーションしました。↓は、そのプログラムです。 詳しくは→ こちら  をご覧ください。 プレゼンテーションでは、上野公園の「時の鐘」、川越市の「時の鐘」、金沢市寺町寺院群の鐘、そして、私の地元・浜松市の龍潭寺の鐘の音の録音やビデオを紹介しながら、いかにそれぞれの鐘がその地域独特の音の風景を創り出しているか、それぞれの鐘の音がどのように地域や人々の生活と関わりを持っているかについて論じさせていただきました。そして、時代が進んで街の景色が変わろうとも、何百年もの間、変わらず鳴り続けている鐘を「音の文化遺産」として後世に伝えていくことの大切さについて論じさせていただきました。 発表後は、ご登壇者のお一人として参加されていた在ベルギー日本大使様から「大変勉強になりました」と、有難くもお声をかけていただき、この日のために頑張ってきて良かった!と心底思いました。(^-^) シンポジウムのプログラムは、 王立カリヨン音楽学校の生徒および職員らによる ハンドベルの演奏に始まり、日本とベルギー両国のみならずオランダやロシアの方も含む11名によるプレゼンテーション、屋外でランチをいただきながらの聖ロンバウツ大聖堂のカリヨン演奏鑑賞、さらには和編鐘の演奏などなど盛りだくさんの内容で、とても幸せなひと時を過ごさせていただきました。^ - ^ このような貴重な機会を頂きましたこと、心より感謝いたします。m(_ _)m ↓写真は、聖ロンバウツ大聖堂