スキップしてメイン コンテンツに移動

日本ベルギー友好150周年記念シンポジウムに参加して:カリヨンが鳴り響く街ーメッヘレン

日本ベルギー友好150周年記念シンポジウム「The new era of carillon art - How bells connect Belgium and Japanカリヨン新時代:鐘がつなぐ日本とベルギー)」に参加するため、9月21日〜27日まで、ベルギー北部のメッヘレンという街に滞在しました。

メッヘレンは、カリヨン(組み鐘)で有名な街。

街の中心には、巨大な鐘楼を擁する聖ロンバウツ大聖堂が威風堂々とそびえ立っています。鐘楼の最上部には、4オクターブの音域を持つ49個のカリヨンが収められています。


その鐘楼の高さは97m!
まさに、メッヘレンのランドマークであり、サウンドマークでもあります。

そして、私、なんと、果敢にも、その鐘楼の頂上まで登ってみました!

583段ある螺旋階段を登るのは想像以上に大変で、何度、途中で引き返したくなったことか、、、(^^;)


階段の途中には、踊り場というか、休憩できるスペースが幾つかあって助かりました。
↓の写真は、その休憩スペースの一つ。鐘を鳴らす動力となるホイール(滑車)がありました。サイズが尋常でなく大きい(@_@)


さらに登って行った先にあった休憩スペースで巨大な鐘の数々を間近で見た時には、鳥肌が立ちました。


頂上に登る途中には、カリヨンを演奏するための鍵盤楽器を備えた小さな部屋がありました。
そう、カリヨンとは人によって奏でられる「楽器」なのです。
それにしても、カリヨン奏者はこんなに沢山の階段を登った末に演奏せねばならないとは (@_@)
何て体力のいる楽器なのだろうと感心しました。(私には絶対ムリ!?)



たっぷり休憩を取りながら登ったので、頂上にたどり着くまでには随分時間がかかりましたが、やはりチャレンジして良かったです。そこはスカイウォークになっていて、外に出るやいなや気分も爽やか、そして圧巻の眺め!疲れも吹き飛びました。(^^)v


メッヘレンの街には絶えずカリヨンが鳴り響いていました。15分毎に鳴っているとか。その音は決して「邪魔」でも「耳障り」でもなく、しっかりと街に馴染んでいるという感じでした。そのカリヨンの響きも含めてメッヘレンという「街」の風景であり、アイデンティティなのですね。

無事、頂上から降りて(階段を降りる方が、ツラかったですが、、、^^;) 大聖堂に入ったら、今からカリヨン音楽学校の生徒が練習するところだと聞いたので、そのまま外に出てビデオを録りました。聴いてみてください。↓


カリヨンって、テンポがゆったりした曲調のものを演奏するのかと思っていましたら、バッハのトッカータ並みの速いパッセージを奏でていて、ちょっと意外でした。

演奏家の方に伺ったところによると、ベルギー南部の方では緩やかなテンポのものが多く演奏されるそうですが、メッヘレンやオランダなどヨーロッパ北部の地域では、比較的テンポが速くて細かい動きのある曲が好まれるそうです。

ところで、メッヘレン滞在中のホテルは、この聖ロンバウツ大聖堂のすぐ目の前でした。夜は30分おきぐらいにカランコロンと時を告げる鐘の音が聞こえてきました。97mもの高さゆえか、その音色の穏やかさゆえか(渋い!とさえ感じます)、こんなに近くで鳴っているにもかかわらず、とても心地よく感じられました。

着いたばかりの頃は時差ボケもあり、興奮もあり、プレゼンの心配もあり(?)で、なかなか寝付けなかったので、鐘がなるたびに、「ひとーつ、ふたーつ、、、、」と数えていました。そうしている内に、いつの間にか寝入っていました。そう、眠れない夜に「ひつじが一匹、ひつじが2匹、、、」と数えていたように、、、

コメント

このブログの人気の投稿

和声のテキストー和声学って難しい?(追記あり)

作曲を学ぶ上で、和声と対位法の勉強は必須です。 私も、↓のテキストで和声を勉強しました。いわゆる「芸大和声」です。 和声−理論と実習,  島岡譲ら、音楽之友社 当時のことを振り返ってみると、第 I 巻や II 巻を勉強していた頃は、禁則を暗記し、禁則を犯さないようひたすら「課題を解く」だけだったような気がします。 本当に和声の勉強が面白くなったのは、第 III 巻に入ってからでした。 第 III 巻になると、 借用和音 や 偶成和音 、 転位 などが出てきて課題も音楽的になり、さらに、フーガの小品を作曲する課題も含まれているので、学習の達成感も感じられるようになりました。 しかし、 III 巻に至るまでの道のりが、長い! そして、説明がムズカシイ! 作曲を勉強している人は、目標があるので、最後まで頑張り抜こうと思えるでしょうが、そうでない人、つまり、ピアノや弦・管楽器などの実技専攻生にとっては、「和声の勉強って、こんなに難しいんだ」と苦痛に感じ、途中で諦めてしまうのでは? 和声全般の勉強は、作曲家を志す人のみならず、全ての音楽家にとって必須だと思うのですが、このシリーズ以外の和声のテキストを見ても、難解なものばかり。これでは、和声の勉強が「特別なもの」、と敷居が高くなってしまうのは、しかたないですね。 日本の「事情」しか知らなかった頃は、↑の写真のテキスト、または、これに準じたテキストで勉強するのが当たり前のように思っていたのですが、カナダに住んでみて、その常識はすっかり覆されました。 当地の和声テキストは、学習者の年齢や目的に応じて、種類がとても豊富でした。中には、とても簡潔でわかりやすく、取り組みやすく編集されているものも多くありました。 やはり、英語圏の人口は日本とは比べようもないほど多いので、その分、需要もあるためでしょう。様々な和声のテキストが出版されていて、それらの中から、自分に適したものを選ぶことができます。 ところで、私が学んでいたカナダの王立音楽院では、早い時期から和声の勉強を始めています。↓は、低年齢(中学生ぐらいまで?)の生徒のための和声のテキストです。 私は、その音楽院では和声クラス上級クラスで学んでいましたが、最初の頃は、上級クラス指定のテキストとは

対位法を学ぶためのオススメ練習曲

以前、このブログで、対位法のテキストを、いくつかご紹介しました。 → 【対位法の勉強】 対位法の勉強については、 難しい! 眠くなる 課題を解くのが面倒 などという声をチラホラ聞きます。 確かに、作曲家を目指す人にとっては、必要不可欠な科目ですが、演奏家にとっては、少々(いや、かなり!?)とっつきにくいというか、敬遠されがちな科目の一つでしょう。 対位法の勉強というと、机上で課題を実施することに終始しがちですが、 ピアノ作品を弾きながら、体得・体感 することをオススメします。 何と言ってもオススメの作品は、 バッハ の「 インベンション 」 です。 中でも、 第 4番 (d moll)、 第 8番 (F dur)、 第 14番 (B dur)は、比較的取り組みやすいと思います。 これらの曲は、演奏テクニックもそれほど高度なものは要求されませんし、主題の反復や反転、反復進行(ゼクエンツ)、転調などの構成についても、わかりやすいと思います。 個人的には、 第 6番 (E dur)が気に入っています。↓ 主題と対主題とが順次進行による反行で始まり、シンコペーションによってリズムを「ずらす」テクスチュアーが、とても面白いと思います。曲が進んでいくと、主題と対主題が反転してあらわれたり、大胆な跳躍も含まれていたりなど、右手と左手の旋律が互いに共存・競合していて、対位法の妙味あふれる曲の一つだと思います。 参考音源→ こちら バッハのインベンションは少しハードルが高いと感じる方は、 バッハの「 アンナ・マグダレーナのためのクラヴィーア曲 」 から抜粋して弾いてみるのも良いでしょう。 ↓は、その曲集の中で最も知られている曲の一つ「メヌエット」です。 また、 モーツアルトの初期の作品 もオススメです。 KV 番号の10番台くらいまでの、少年時代に作曲したと伝えられている小品です。 なーんだ、子どもの頃の作品か〜と侮るなかれ! どれもが音楽的に完成され、かつ愛らしい作品です。 当時、少年モーツアァルトは、対位法もしっかりと学んでいたでしょうから、その学習の成果が随所にあらわれているのでは?誰しも、習得したことは作品に取り入れてみたいと思うでしょうから。 ちなみに、↓は、「 メヌエットKV

一人ひとり専用Webサイトで学ぶ「和声オンラインレッスン」

和声オンラインレッスンを開講しています。 2017年より、和声法のオンラインレッスンを行なっています。 この和声オンラインレッスンでは、 ♪ 受講者のみがアクセス可能な Webサイト で、テキストを読んだり、 動画や音源を視聴 したりすることによって学んでいきます。 ♪ 受講者 一人ひとり専用のWebサイト をご用意します。 ♪ 一人ひとり専用サイトで、それぞれの 目的やレベルに合ったカリキュラム で学習できます。 ♪ 一人ずつ専用サイトで学習するので、自分の学習履歴が一目でわかります。また、いつでも 学習したことを復習する ことができます。 ♪ スマホからもアクセス可能。 いつでもどこでも 学習できます。 ♪ 音源や動画を最大限に活用し、譜例を 見る・聴く ことによって、和声の仕組みを理解していきます。 ♪ 単元ごとに課題を実施→解答をメールで送信→採点してフィードバック。 時間を置かず、学習の到達度を確認 できます。 ♪ 疑問に思ったことは、その場でメッセージを送信することができます 。質問には、一つひとつ丁寧に回答しています。 現在、和声オンラインレッスンでは、 ♪ 現役音高生 ( コロナ禍による休校中の補習として) ♪ 作・編曲家としてご活躍されている方 ( ステップアップのために) ♪ 現役音大生 ♪ 和声の学び直し をご希望の音大出身者 ♪ 演奏会のための楽曲をアレンジしたいとご希望の 音楽家 ♪ ヤマハ指導グレード4級取得 を目指している方 ♪ ミュージシャン志望 の方 ♪  音楽への造詣をより深めたい とご希望の音楽愛好家の方 などなど、様々なバックグラウンドをお持ちの方が、それぞれの目的のもと、学習されています。 下記より受講されている方々の感想をご覧になれます。 → オンラインレッスン受講生の声 詳しいことをお知りになりたい方は、下記、「お問合せフォーム」からお問い合わせください。 → 「お問合せフォーム」へ なお、作曲の基礎と音楽理論を同時に学ぶことができるオンラインレッスンも開講しています。↓をご覧ください。 【 作曲のための音楽理論オンラインレッスン 】 ▍ レッスンの進め方 和声の勉強は難しい、 和声の課題を解いていると眠くなる、、、 そ