スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

打楽器アンサンブルのための《日本のわらべうた》 Japanese Children's Songs for percussion ensemble

数年前に、静岡市のAOIホールで行われた国際交流コンサートで、打楽器アンサンブル《日本のわらべうた》を発表しました。 このコンサートは、静岡市の姉妹都市・米国オマハ市との交流を図る一環として、静岡大学が、ネブラスカ大学オマハ校 (UNO) 音楽学部の教員や学生たちを招待して行われたものです。 曲は「通りゃんせ」「赤とんぼ」『山寺の和尚さん」の3曲をメドレーで繋いだ構成となっています。1曲目「通りゃんせ」の導入部分では、様々な打楽器を用いて奥深い森の中を表現してみました。もし良かったら、ご試聴ください。 この部分の打楽器パートは、きちんとした楽譜にはなっていません。「だいたいこのタイミングで、こんな感じで」というような指示が、図形もしくは言葉で書いてあるだけで、奏者は、互いの音を聴きながら発音タイミングをはかりつつ、演奏しています。いわば「偶然性の音楽」のスタイルを用いています。 予めきっちり楽譜が書かれている場合と異なり、本番はどのような演奏になるかわからない、という大変スリリングなスタイルですが、一期一会の演奏に臨んでいるという緊張感と集中力の相乗効果により、思わぬ名演(ある意味、二度とできない!?)が生まれることがあります。(ジャズの即興演奏では、よくありますよね・・・) 演奏をお聴きになった感想は、いかがでしょう? 手前味噌ながら、怪しい森の中の様子が、よく表現されていると思うのですが・・・(^^) なお、この「打楽器アンサンブル《日本のわらべうた》」は、静岡での国際交流コンサートで初演された後、ネブラスカ大学オマハ校音楽学部パーカッションアンサンブル定期演奏会にて、同大学の学生さん達によって再演されました。この曲を通じて、日米の音楽による交流の一端を担えたことを大変嬉しく思います。

オルゴールの曲を創りました。Music for a music box

今日、拙作の 合唱曲「ぼくたちは水」 を、カード式手回しオルゴール(オルガニート)用に編曲しました。 原曲の混声合唱曲については↓をご覧ください。 混声合唱のための《ぼくたちは水》 オルガニートとは、穴があけられた細長いカードを四角い箱に通し、手でハンドルを回すと音が出る仕掛けになっているものです。 参考→ http://www.izu.fm/shop/sheetorga.htm 今まで、「オルゴール風」な曲をシンセサイザーで弾いたり、DTMで作ったりしたことはありましたが、本物のオルゴールのために曲を創ったのは初めてです。 オルガニートで発音できるのは20音のみ。ピアノの鍵盤に当てはめると、中央ドの1オクターブ下のドから、2オクターブ上のド+上5音まで。つまり、C2〜A4(中央ド=C3)、しかも白鍵のみ。そして、♯や♭のついた変化音は使えません。ゆえに転調はできないし、和音や和声付けも制限されます。 さらに、カードに穴をあける関係上、同じピッチの音を狭い間隔で続けて使うことができません。曲の速さにもよりますが、通常は、同じ音を8分音符で連続させることはできないのです。 この限られた音域および物理的な制約で、いかに曲を表現するか、、、、コレが醍醐味だと感じました。 オルゴールの音はすぐに減衰していまうし、1〜2音だけでは寂しい感じがするので、はじめはやたら音数を多くしたり、オルゴール特有のアルペジオを多用したりしたので、ごちゃごちゃした感じになってしまいました。 何回か手直しして、前半はシンプルに、後半にいくにしたがい同時発音数を多くして盛り上がるように編曲したら、何とかそれっぽくなりました。 ところで、オルゴールの曲(オルゴール本体に差し込むカード)がパソコン上で作れるとは知りませんでした。 その行程は、 楽譜作成ソフトFinaleで編曲 ↓ MIDIデータに変換 (私の場合は、ここまでを自分で行い、後はオルガニート制作に詳しい知人にMIDIデータを渡して仕上げてもらいました) ↓ オルガニート作成用ソフトでMIDIデータを開く ↓ シーケンス上に穴をあける箇所が表示される ↓ これをプリントアウトして専用の紙に印刷 ↓ 専用穴あけ工具(ホチキスみたいなもの)で指定の箇所を穴あける...

木霊〜マリンバのための〜 Echo in the Wood for Solo Marimba

独奏マリンバのために作曲した《木霊》は、芭蕉の有名な句『閑かさや岩にしみ入る蝉の声』が詠まれたことで知られる山形の 立石寺(通称:山寺) を訪れた際の印象をあらわしたものです。 曲は、緩ー急ー緩の3曲構成となっています。 第1曲は、静寂の中、蝉の声、鳥の声、湧き水の音、木々のざわめきなどがシャワーのように降り注いでいる様、またはそれらの音が奇岩に反響して聴こえてくる様をイメージして作曲しました。 第2曲は、第1曲とは対照的に、動きのある曲想となっています。「木霊」は樹木に宿る精霊で、山中を敏速に自在に駆け回るとされているそうです。様々な音が反響し合い、山の中を「ぐるぐる巡っている」様を表現してみました。 第3曲は、山寺周辺の夕暮れ時をイメージしています。奥深い山あいに立地しているためか、夏にもかかわらず夕方4時頃になると既にあたりは薄暗く、人気のない参道にはヒグラシの鳴き声がもの悲しく響き渡っていました。その侘しさを、同音連打およびトレモロ奏で表現してみました。  第1曲(抜粋)を、山寺のある宝珠山の風景とともにお聴き下さい。 MIDI音源による抜粋の演奏なので、実際の曲の雰囲気とは異なりますが、ご参考ください。 立石寺は、千段余りもの石段を登ったところにあり、寺に至る山腹には奇怪な姿をした険しい崖が屏風のように連なっています。崖は海底火山の噴出物からできていて、表面には風化による凹凸や風化穴が多数あります。これら表面の凹凸にによって特有の音響効果がもたらされ、その特異な景観とも相まって、山全体には不思議な空間が広かっています。 本作品は、2011年11月静岡にて行なわれた、私の作曲の師匠・大槻寛先生の退官記念演奏会でマリンビストの仙波明子さんによって、初演されました。その後、2012年 12月23日(日)岐阜市民芸術祭「リサイタルシリーズVol.2」で、再び仙波明子さんに拙作「木霊〜マリンバのための」を演奏していただきました。 もし、この曲に興味を持っていただけましたら、楽譜、音源などございますので、メールにて、お問い合わせください。→ メールする

「音楽の語るもの」Sound and Silence -Classroom Projects in Creative Music-

先日、 東京で古本屋巡りをした際、「20世紀の対位法」 とともに、ジョン・ペインターら著「音楽の語るものー原点からの創造的音楽学習」も発見。パラパラと中身を見て「買い」と思い、これも買ってしまいました。 こちらは、定価4,500円のところ、5,000円でした。 この本の存在は、ずっと以前から知っていたのですが、当時は金銭的に余裕がなく、作曲そのものを扱った本や音楽理論書を買うのに精一杯で(何しろ音楽書は高価ですから!)、私にとっては「必要になったら買えばいい」のカテゴリーに属する1冊でした。 しかし、本当に欲しいと思った時には万事休す。既に絶版となっていたのを知り、大変残念に思っていたところ、偶然、古本屋さんで見つけました。 この本は、創造的音楽の授業を目指している学校の先生にとって、授業計画を立てる上で大変参考になると思います。また、授業の場でなくとも、地域学習、課外学習として創造的音楽学習を実践したいと考えている方にも、ぜひ一読していただきたい本です。(と言っても、絶版になってしまったので、入手はなかなか難しいとは思いますが...大きな図書館でしたら蔵書しているかも) さらに音楽の授業のためだけでなく、音楽家が「音楽とは?」「音楽は何を表現するものか?」等、原点に立ち返って音楽を見つめ直す「読み物」としても優れていると思います。 私は、この本の中の「音楽の素材は音と沈黙(sound and silennce)である」「音楽とは、ある表現意図にしたがって音と沈黙を組織することである」という文に、今更ながらハッとさせられました。 自身の創作を振り返ってみると、音、つまりsoundを紡ぎ出すことばかりに集中し、「沈黙(休符)」を効果的に用いようとする配慮に欠けていたなと、自覚させられました。 このことは、ぜひ、演奏家の皆さんにも自覚していただきたいです。書かれている音符を正確に、美しく表現することにのみ留意しないで、休符や、それによって生じる沈黙(静寂)も正確に感じ取って欲しいと。 この本では、実践(体験)しながら音列のこと、ヘテロフォニーや偶然性の音楽などの音楽様式のこと、和声感など、多様な音楽的素養が身に付くプロジェクトが紹介されています。350ページにも及ぶ内容なので、完読するまで...

絶版の音楽書を求めて〜古本屋めぐり Looking for used books in music theory

先日、東京に行った際、古本屋巡りをしました。 自由が丘の 東京書房 さんで、絶版になっていたハンフレー・セアール著「20世紀の対位法」を見つけて、思わず買ってしまいました。 定価4,500円だったのが、なんと、8,500円! 以前から欲しいなと思っていたので即、買い!でしたが、それにしてもこのような音楽関係の良書は、需要が少ないということもあってか、すぐに絶版になってしまうのが残念です。(涙) 内容は、20世紀の著名な作曲家、ストラヴィンスキー、ミヨー、バルトーク、ヒンデミット、シェーンベルクなどの作品を、対位法の観点から分析していくというもの。さらに「独自技法の人々」として、ブゾーニ、アイヴス、ヴァレーズらの作品にも触れています。 本書では、20世紀の作曲たちが、和声法による作曲が主流だった18世紀後半〜19世紀より「前の時代」の手法である対位法に再び着目して創作していたことを明らかにし、一見(一聴?)複雑そうに感じる現代曲も、対位法的な分析をすることによって、フレーズ同士の「線対線」の関係を浮かび上がらせ、曲の組み立てや成り立ちを理解できるよう導いています。 冒頭では、半音階的対位法の発展について、バッハの「平均率クラヴィーア曲集 I」の h mollのフーガを例にとって説明してます。この曲は、主題に1オクターブ内の12音すべてを含んでいる先駆的な例として多くの音楽理論書で引用されていますが、この本では、後年の作曲家たちが、いかにバッハのh mollフーガからインスピレーションを得ていたかを、リスト作曲「バッハによる幻想曲とフーガ」の譜例を掲げて、より具体的に示しています。 初めは読みやすいのですが、だんだんと内容が濃くなってきて、曲を知らないと理解不能になってきます。やはりこのような理論書では、参照できる音源が付いていると良いですね。もちろんYouTube、 NAXOS   などで探すこともできますが、中には大変コアな作品もあって、音源が見つからない、あるいは見つけるのにとても苦労する曲もありますから。 かえすがえすも、このような現代音楽に関する本が絶版になってしまっていることを残念に思います。20世紀は、今となっては「過去」になりつつありますが、それでも長いクラシック音楽の歴史から見れば、前世紀の...

ギター・マンドリン演奏会   Guitar and Mandolin Concert

来る5月4日(土)、三重県鈴鹿市 「鈴鹿ふれあいホール」 で行われる「第4回アンサンブルの集い」(主催:三重県ギター・マンドリン連盟)で、拙作のマンドリン作品を演奏していただくことになりました。 演奏曲は、 ♪風、海、そして ・・・ 空 〜マンドリンとギターのための〜 ♪四季の風景 〜マンドリンとマンドロンチェロのための〜 ♪木霊 〜マンドリンとマンドロンチェロのための〜 の3曲。 山下直美さん(mandolin)、山下顕さん(guitar, mandoloncello)による演奏です。 《風、海・・・》 は、静岡県焼津市を舞台とした演劇のテーマ曲を、マンドリンとギターのために改編したものです。作曲にあたっては、焼津市を訪れて市内を散策。その時感じた風の心地よさ、海(波)の音、空の青さなどを表現してみました。 舞台作品としては、オーケストラ用に書いたものですが、マンドリンとギターに編曲してみると、より港町・焼津の素朴さが感じられ、我ながら気に入っています。 《四季の風景》 は、お馴染みの四季折々の曲をメドレーで繋いだもの。1曲丸ごとのみならず、ある曲のフレーズの断片もところどころ含まれているので、「さて、どんな曲がいくつ出てくるか?」と、玉手箱のようにお楽しみいただけます。 日本の曲だけではありませんよー。なんと、ドビュッシーの曲まで「ちょっとだけ」出てきます。 《木霊》 は、芭蕉の有名な句『閑かさや岩にしみ入る蝉の声』が詠まれたことで知られる山形の 立石寺(通称:山寺) を訪れた際の印象を曲にしたものです。いわゆる、バリバリの現代曲。マンドリン作品では、あまり見かけない作風だと自負しています。 この曲は、もとはマリンバ・ソロ作品として作曲したのですが、昨年12月にマンドリン作品を発表する演奏会を行うことになり、急遽、マンドリンとマンドロンチェロ用に改編しました。予想以上に良い雰囲気に仕上がり、以来、いろいろな機会に演奏していただいております。 ところで、私は昨年からマンドリン作品を手がけ始めたばかりで、まだマンドリンのこと、マンドリン作品のことなど良く知らなかったのですが、どうやら、マンドリンとマンドロンチェロの組み合わせは珍しいようです。 マンドリン属の...

《スカラムーシュ》〜クラリネット、マリンバ&ピアノのための〜

ミヨー作曲《スカラムーシュ》を、クラリネット、マリンバ、ピアノの編成のために編曲した作品を、5月26日(日)に、 名古屋の 宗次ホール で初演していただきます。 さらに、その数日後の6月15日(土)には、浜松の 夢・汎ホール でも演奏していただくことになりました。 クラリネット、マリンバ、ピアノという編成は、とても珍しいです。お近くの方、ご興味のある方、ぜひご来場下さい。 【名古屋公演】 日時:5月26日(日)14時開演 会場: 宗次ホール (地下鉄栄駅12番出口徒歩5分) 入場料:2,800円(当日 3,200円) 「NPOいきいきなごや わわわの会」様の主催による、スリランカの子どもたちへの教育支援チャリティーコンサートとなっております。 【浜松公演】 日時:6月15日(土)14時開演 会場: 夢・汎ホール (浜松市中区富塚町4710-9) 入場料:大人 1,500円 高校生以下 500円 演奏は、加藤千晴さん(Cl)、間瀬早綾香さん(Mrb)、板倉篤子さん(Pf) です。 ミヨー(Milhaud)は、 1892年生まれのフランスの作曲家。オネゲル、プラーンクらとともに「フランス6人組」と呼ばれる作曲家集団の一人です。 「スカラムーシュ」は、ミヨー自身が作曲した喜劇「空とぶお医者さん」から抜粋した旋律を繋いで2台のピアノ用に改作されたもので、 全3曲から成る、全体的に 明るく生き生きとした雰囲気の曲です。 中でも「ブラジルの女」と題された第3曲は、サンバのリズムによる陽気な曲調で、聴いていてとても楽しいです。 「スカラムーシュ」は2台ピアノ用他、アルト・サクソフォーン&ピアノ、クラリネット8重奏などの編成の楽譜が市販されていますが、クラリネット、マリンバ、ピアノという編成は珍しいというか、ほとんど初めてではないでしょうか? 今回編曲するにあたっては、2台ピアノ用の楽譜を参考にしました。 2台ピアノでの演奏は何度か聴いたことありましたが、こんなに難しいフレーズを弾いていたんですね、とあらためて勉強になりました。高音から低音まで動く動く...どちらのパートも広い音域に渡って満遍なく音がちりばめられていました。 第2曲、第3曲は、わりとすんなり編曲できたのですが、第1曲については、大い...