今日、拙作の合唱曲「ぼくたちは水」を、カード式手回しオルゴール(オルガニート)用に編曲しました。
原曲の混声合唱曲については↓をご覧ください。
混声合唱のための《ぼくたちは水》
オルガニートとは、穴があけられた細長いカードを四角い箱に通し、手でハンドルを回すと音が出る仕掛けになっているものです。
参考→http://www.izu.fm/shop/sheetorga.htm
今まで、「オルゴール風」な曲をシンセサイザーで弾いたり、DTMで作ったりしたことはありましたが、本物のオルゴールのために曲を創ったのは初めてです。
オルガニートで発音できるのは20音のみ。ピアノの鍵盤に当てはめると、中央ドの1オクターブ下のドから、2オクターブ上のド+上5音まで。つまり、C2〜A4(中央ド=C3)、しかも白鍵のみ。そして、♯や♭のついた変化音は使えません。ゆえに転調はできないし、和音や和声付けも制限されます。
さらに、カードに穴をあける関係上、同じピッチの音を狭い間隔で続けて使うことができません。曲の速さにもよりますが、通常は、同じ音を8分音符で連続させることはできないのです。
この限られた音域および物理的な制約で、いかに曲を表現するか、、、、コレが醍醐味だと感じました。
オルゴールの音はすぐに減衰していまうし、1〜2音だけでは寂しい感じがするので、はじめはやたら音数を多くしたり、オルゴール特有のアルペジオを多用したりしたので、ごちゃごちゃした感じになってしまいました。
何回か手直しして、前半はシンプルに、後半にいくにしたがい同時発音数を多くして盛り上がるように編曲したら、何とかそれっぽくなりました。
ところで、オルゴールの曲(オルゴール本体に差し込むカード)がパソコン上で作れるとは知りませんでした。
その行程は、
楽譜作成ソフトFinaleで編曲
↓
MIDIデータに変換
(私の場合は、ここまでを自分で行い、後はオルガニート制作に詳しい知人にMIDIデータを渡して仕上げてもらいました)
↓
オルガニート作成用ソフトでMIDIデータを開く
↓
シーケンス上に穴をあける箇所が表示される
↓
これをプリントアウトして専用の紙に印刷
↓
専用穴あけ工具(ホチキスみたいなもの)で指定の箇所を穴あける
↓
オルガニート演奏用のカード完成
となっています。
下の写真は、出来上がったオルゴール用のカードを本体に差し込んだものです。
たかがオルゴール、されどオルゴール。
どの分野もそうですが、オルゴールの世界も深い!です。
出来上がったものを再生する際、手の回し具合で様々な表現になるそうで、その人のセンスがあらわれるとか。。。カードが完成したら、早速私も回してみたいと思います!
オルガニートについて詳しいことは、「やさしいオルゴール」というサイトでご覧になれます。
【追記】
7月7日(日)東京杉並区の角川庭園すぎなみ詩歌会館で行われた水琴窟フォーラムで、本作品を披露していただきました。↓の音源は、その時の録音です。お楽しみください。
演奏は、国際オルゴール協会(MBSI)会員の知人にお願いしました。どうも有り難うございました!
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