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対位法の勉強のためのテキスト【追記あり】

新曲の創作のために、もう一度、対位法の勉強をすることにしました。

私が勉強したのは、主に17〜18世紀のスタイル。すなわち、バッハの作品に代表されるような和声的、調性的な対位法でした。

今回は、ルネッサンス時代の旋法による対位法を学びたいと思っています。

古典派〜ロマン派の時代は、対位法を駆使したポリフォニー的な楽曲より、旋律に和声を付けるホモフォニックな楽曲がより支配的でしたが、シェーンベルクやバルトークなど20世紀以降の作曲家の多くは、再び対位法の技法に目を向け、自らの作品に取り入れていきました。19世紀後半で和声書法は行き着くところまで到達、もはやこれ以上の発展は望めないとし、ルネサンス時代の対位法による「過去」の書法を、逆に「新鮮なもの」として受けとめていたようです。
  • 20世紀の対位法」(ハンフレー・セアール著、水野久一郎:訳、音楽之友社)に、上記のことが説明されているのですが、残念ながら絶版のようです。音楽大学等の附属図書館には蔵書されていると思いますので、ご興味ある方は足を運んでいただき、ぜひご一読ください。この本については、当ブログ【絶版の音楽書を求めて〜古本屋めぐり】もご覧ください。
と、いうことで、新たにパリ音楽院の方式による厳格対位法」(山口博史:著、音楽之友社)という本を購入。以前に購入したまま、ほとんど手つかずだったパレストリーナ様式による対位法」(ホセ・I ・テホン:著、音楽之友社)とともに、しばらくは「厳格なる」対位法の世界に浸りたいと思います。


ところで、上にも書きましたが、私が学んだのは、17〜18世紀の対位法でした。バッハの作品を中心に、ヘンデル、パッヘルベルなどの作品から二声〜四声による旋律書法や、模倣による作曲法を勉強しました。

日本で勉強しているときは、師の指導を受ける一方、いくつか市販テキストを購入しましたが、課題の実施例が載っていないものが多いので自習はムリと判断、、、だったら、実際の曲から学ぼう!ということで、バッハのインヴェンション、シンフォニア、平均率クラヴィーア曲集などを弾いて、分析していきました。

特に平均率クラヴィーア曲集は、何度も何度も楽譜を開いては、弾きながら書き込みをしていったので、↓のように表紙、背表紙ともボロボロに...


その後、カナダで勉強している間、再度、一から理論や実習を踏まえて勉強をし直した際に使ったのが、↓のテキストです。

テキストのタイトルはElements of 18th Century Counterpoint
訳すと、「18世紀対位法の基礎(入門)」かな?
(↑のアマゾンのサイトでは「なか見!検索」付きです)

この本の良いところは、サイズが大きくて見やすい!
A4サイズより、横幅が少し広くなっています。
もちろん、譜例も課題も大きく掲載されています。

「見やすい」というのは、勉強する上で、とても大事だと思いました。とかく日本の音楽関係の理論書は、初心者用のものでも、テキストのサイズが小さい上、文字や譜例も小さく「ごちゃごちゃ」した感があります。対位法のような込み入った理論を学ぶには、見た目に「難しそう」「めんどくさそう」という印象を植え付けしまい、取つ掛かりが悪いのでは?と思います。(やる気満々の人には良いのですが、、、)

さらにこのテキストの良いところは、ワークブックのようになっているので、テキストに直接、課題の解答を書けるのです。つまり、解答用のノートを別に用意しなくても良いのです。これはポイント高いです!

もちろん、同じ課題を何回も繰り返し行いたい人は、別途、五線ノートを用意して解答を書いていけば良いのですが、特に初歩の段階の勉強では、1回課題を解いたら終わり、という場合が多いのではないでしょうか?   でしたら、説明文を見ながら、そのままテキストに解答を書いていくことができるスタイルは、とても便利ですね!

テキストに直接書き込めるスタイルのものでしたら、ノートを用意する→譜割りをする→音部記号や調号を書く→定旋律を書き写す(たまに写し間違いも生じる!)という一連の作業の手間が省けます。

それに、解答を書いたノートって、少し期間をおいて課題に取り組もうと思った時、何処に置いたか(しまったか)わからなくなることも多いのですよね〜 このようなワークシートスタイルになっていれば、その心配も解消されます。

さらに、このテキストが実用的で良いなと思った点は、基本的な課題の他、実際の曲から引用した課題が数多く含まれているので、巨匠たちの曲(楽譜)と「答え合わせ」ができることです。

やはり、先人たちが残した作品は、最もすぐれたお手本ですよね。もちろん、巨匠たちの「解答」とピッタリ同じである必要はないのですが、例えば、「なるほど、この部分、バッハはこのようにバスを組み立ていったのか」とか、「ヘンデルは、このように旋律を導いていったのか」と知ることができて、大変勉強になると思いました。

このテキストでは、1対1対、1対3、1対4の対位法の基本を学んだあと、メヌエットやブーレーなどの2部形式や3部形式、フーガなどの模倣形式による作曲課題もあります。ただし、扱っている範囲が二声のみなので、三声以上の対位法を学びたい場合は、さらに上級のテキストを学ばなければなりません。しかし、基本となる二声対位法について、これだけ丁寧に勉強すれば、さらに発展した内容に進んでも、スムーズに技法を身に付けることができると思います。

さてさて、少しずつルネッサンス様式の対位法について学んでいっていますが、テキストは日本製なので、テキストのサイズも文字も小さめ。もちろん解答を書くためのノートを用意しなければなりません。

おまけにピアノの譜面台に載せるとページがめくれてしまったり、本が閉じてしまったりするので、ペーパーウェイトは必需品。結構ストレスだなーと。

でも、「曲を書く」という大いなる目的のためにがんばるぞ!

困難を克服してこそ、成功はある!

あ、もしかして日本人にありがちなこの気質を考慮した上で、このように難儀なテキストになっているのかしら!?

【追記】
名曲で学ぶ対位法」(柳田孝義:著、音楽之友社)も、オススメです。曲例がたくさん掲載されています。しかも、バロック期の作品はもとより、古典派の作品、ロマン派の作品、さらに合唱曲にいたるまで!

とても実用的なテキストだと思います。

このテキストの気に入っているところは、はじめに、「旋律の進行」について、ジョスカン・デ・プレ作曲のミサ曲に始まり、ベートーヴェン、ブラームス、ワーグナー、そしてドビュッシーにいたる豊富な譜例を掲げて詳しく説明されている点です。前述の「Elements of 18th Century Counterpoint」とよく似ています。「名曲で学ぶ対位法」の方が、より多くの曲例を用い、約40ページにわたって旋律書法について説明がなされています。

対位法を学ぶためには、旋律の導き方を十分理解していることが重要だと思います。その点では、このテキストのアプローチは、とても優れていると思います。

ちなみに、このテキストには課題の実施例が掲載されています。この点もポイント高いですね!

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