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絵本随音楽「ながーいはなで なにするの」再演

絵本「ながーいはなで なにするの」に付けた音楽が再演されることになりました。

そら・いろ・カルテットと楽しむコンサート
日時:2017年9月3日(日)
   第1部 13:00〜
   第2部 15:30〜
会場:カワイ浜松ミュージックサロン「ブリエ」


この「ながーいはなで なにするの」という絵本は、ゾウの母子の日常でのやり取りの中で、ゾウの、あの長〜い鼻はどんな役目をはたいしているか?を子供たちに伝える絵本です。2年ほど前、名古屋で初演していただきましたが、今回は、私の地元・浜松での初披露となります。


この作品は、浜松および名古屋近郊で演奏活動をしているマリンバ奏者・間瀬早綾香さんからの依頼で、マリンバとピアノのデュオ曲として作曲しました。作曲にあたっては、マリンバのぬくもりのある音色で、ゾウ母子のほのぼのとしたふれあいを表現することができたら、と思いながらイメージを膨らませていきました。

さらに、この作品を書くことで、映像音楽作曲法を学んだことをブラッシュ・アップする良い機会になるのでは?、という思いもありました。ですので、その学習の成果を様々なシーンで「応用」しています。

例えば、母子で仲良く草を食べているシーンでは、コミカルなシーンの定番となっているコード進行やリディアン・モードを用い、楽しくて愉快な雰囲気を演出してみました。また、子ゾウが水遊びをしている時に溺れそうになるシーンでは、私が「fear mode」と呼んでいる不協和な和音のパターンを連続させ、「怖い!」「さあ、大変!」という感情を強調してみました。

さらに、主人公はゾウ母子ですから、何か「ゾウ」を連想させるようなメイン・モチーフはないか?といろいろ考えました。そして、広い音域に渡って駆け上がるフレーズや、ゆったと下行するフレーズを織り交ぜた曲線モチーフで、「ながーいはな」の動きをあらわしてみました。マリンバでは、広い音域に渡ってフレーズが上下するのは、得意な表現法の一つです。それを活用してみました。

他の楽器で広い音域を行ったり来たりすると、ちょっとヒステリックな感じに聴こえるのですが、マリンバですと、広々とした、のびやかなイメージを醸し出すことができます。これに、適宜、トレモロを混ぜれば、さらに「柔らかさ」も演出できるのです!

様々な試行錯誤の末に生まれたこの作品が、多くの人々に愛されることを願っています。

演奏会では、小学校6年生の児童が朗読するそうです。どんな作品に仕上がっているか、とても楽しみです。



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