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マンドリンとマンドロンチェロのための「木霊」を出版

この度、マンドリンとマンドロンチェロのための「木霊」を出版しました。フレット楽器ヤマサキ様にて、お取り扱いいただいております。


この曲は、芭蕉が「閑かさや岩にしみ入る蝉の声」を詠んだことで知られる山形県の立石寺(通称:山寺)を訪れた際の印象を曲にあらわしたものです。目に見える景色や、聞こえてくる音の様子(音風景:サウンドスケープ)からインスピレーションを得て、作曲しました。

もともとはマリンバのための作品でしたが、マンドリンコンサートのために何か作品を、と思い巡らせていましたところ、この曲をマンドリンとマンドロンチェロによるデュオで演奏したら、
マリンバ独奏とはまた違った趣が得られるのではないかと思い、改編してみました。

マンドリン作品としてはちょっと異端な曲想だし、1回限りの演奏になるかなーと思っていたのですが(ゲンダイ音楽作品では、往々にしてありがち)、何件かお問い合わせをいただきまして、この度、出版と相成りました。

ご協力くださったマンドリニストの山下顕様、山下直美様、快く楽譜をお取り扱いくださることご承諾くださったフレット楽器ヤマサキ様に、心より御礼申し上げます。


以下に、楽譜に掲載した曲目解説の抜粋を載せます。ご興味のある方は、ぜひフレット楽器ヤマサキ様までお問い合わせください。
なお、このブログでも、お問い合わせを承っております。お気軽にどうぞ。→お問い合わせ

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《木霊》は、松尾芭蕉が『閑かさや岩にしみ入る蝉の声』を詠んだことで知られる山形市の宝珠山立石寺(通称:山寺)を訪れた際の印象をあらわしたものです。もとはマリンバ独奏のために書かれた作品を、より表現の可能性を求めてマンドリンとマンドロンチェロのデュオ曲として再編しました。

立石寺は千段余りの石段を登ったところにあり、途中の山腹には奇怪な姿をした岩盤が切り立っています。凝灰岩から成るこれら奇岩の表面には無数の風化穴があり、それらの凹凸が山全体に独特の音響をもたらしていると言われています。

第1曲:静寂の中、蝉の声、湧き水の音、木々のざわめきなどがシャワーの如く降り注いでいる様や、それらの音が奇岩に反響している様をイメージしています。リズム表記の違いによるニュアンスを読み取った上で、時間軸の流れを自由に表現してみてください。

第2曲:立石寺周辺の夕暮れ時をイメージしています。奥深い山あいに立地しているためか、夏にもかかわらず夕方4時頃になると既にあたりは薄暗く、人気のない参道にはヒグラシの鳴き声が、もの悲しく響き渡っています。その侘しさを、同音連打およびトレモロ奏で表現してみました。

立石寺へは20117月に訪れました。その年の3月に東日本大震災が起こり、東北地方をはじめ日本中が悲しみに暮れていた時期でしたが、宝珠山の山頂から眺めた奥羽の山々は、全てのものを受け入れ、私たちを見守っているかのようにどっしりとした佇まいでした。蝉は魂のはかなさの象徴とも言われています。山中で聞こえた音だけでなく、「生命の叫び」も表現できたらという思いで創作しました。
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立石寺(山寺)から眺めた風景

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